2022-10-18

一ヶ月ほど前のことだ

仕事帰り、俺は妙な老婆に話しかけられた。

その老婆は物売りらしく、怪しく思えて俺はすぐに立ち去ろうとした。

そうしたら老婆は言うんだ。

ブクマ、欲しくないですか?」

わず俺は足を止めてしまった。老婆はニヤッと笑った。気味が悪かった。

俺は数年前から増田をやってて、結構投稿するんだがブクマがついたことはほぼ皆無だ。

から注目を集め、バズっている増田を見るといつも羨んでいた。

そんな折、老婆は俺の心の中を読んだかのようなことを言うので驚いた。

老婆は俺に言う。

「これを買えば、ブクマがつくようになります」と。

それはお守りのように見えた。神社で売っているような、何気ないお守り。

どうせ詐欺の類だろう、購入したところで意味は無い。

そう思って断ろうとした矢先、老婆は先に口を開いて俺に言う。

「もし効果が無かったら返品してもらって構いません。もちろん、御代も全額返金いたします」

気の迷い、というやつだろう。退屈な毎日に退屈し切っていた。

「…本当だろうな?」

尋ねると老婆は大きく頷き、俺は財布に手を伸ばしていた。

驚いた。

帰宅して、さっそく増田投稿してみた。

内容は本当にくだらない、酒に酔って書いたものだ。

翌日。起きて確認するとビックリした。

今までに見たことの無い数のブックマークがついていたのだ。

正直うれしかった。こんなにブクマをもらったのは初めてだったから。

そして俺はマウスの傍に置いた例のお守りを見た。それでもまだ半信半疑だったけれど。

驚いた。

休み投稿したものが、またもバズっていたのだ!

これはもしや本当に…

俺はその後もいろいろな投稿をしてみた。

政治的もの、三文記事的なものフェミ的なものネタ的なもの――

どれも、大量のブクマがついていた。

俺は歓喜し、あの老婆の言葉が本当であったことを確信した。

世の中には、まだ不思議なことがあるのだと俺は思った。

だがそうした喜びは最初だけだった。

恐ろしくなったのだ。

何を書いてもバズる、それが如何にくだらない内容であろうと、どうでもいい内容であろうとも

大量のブクマがつく。

正直異常だった。意味が分からなかった。変なことを言っても承認される。それも絶対に。

それは本当に異常で、俺がおかしいのか、それともブクマをつける奴らがおかしいのか、世界おかしいのか…

俺には分からなくなっていた。

からこれを書いている。

すべてのネタバラシを。

こうして書いてみて、改めて見直してみても創作臭がすごい。

まるで下手な小説だ。こんなものブクマがつくとは思えない。

だがそれでいいのだ。

俺はこの結果を持って、老婆に例のお守りを返品するつもりなのだから

このお守りを持っていてもブクマつかなかったですよ。

そう言いながら俺はこれを見せるつもりでいる。

これが返品の証拠になるはずだ。

この投稿ブクマはもらえないだろう。

だが、それでいいのだ。

  • 週刊ストーリーランドって番組あったなぁと思い出す内容だな。オジサン懐かしいわ。

  • アンテン様からアンテン様抜いたらただの趣味が悪い話じゃん。 味のないガムを「クチャクチャ出来て楽しい」ってありがたがるのはスラムの子供か食い過ぎのデブだけでしょ。

    • 赤猫とアンテン様が毎回ブクマに上がってくるの謎なんだけど はてな出身者が書いてるとかあるのかな

      • ダンダダンとハイパーインフレが上がるのも謎やでという話

        • ダンダダンとハイパーインフレは面白いだろ アンテン様は味わい深いだろ

          • ダンダダンとハイパーインフレはノリについていけなくなったやでという話

  • はいはいフルットのパクリ

  • 一ヶ月も前の話をするなよ

  • 2022/10/24 11:00現在、ブクマ13。少ね~~~~~

  • 「高菜、食べてしまったのですか!?」

  • AIに 「妙な物売りの老婆に呼び止められる面白い話を聞かせて」 って言ったら無限に俺だけの週刊ストーリーランド〜謎の老婆編〜が楽しめるじゃん!

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