会社辞めて縁が切れるわけだ
嫌いだったクソ上司とも、事なかれ主義の更に上の上司たちとも、気にかけてくれた先輩や同僚の人々とも
綺麗さっぱりなくなっちまうんだ
清々しいな
寂しい
半分復讐みたいな辞職だ
縁を切ることが俺の最大の攻撃手段だ
で、その拍子に周りの縁も全部切ってしまう
行き当たりばったりに暮らすから余裕もなくて
人の善意を啜り倒して
逃げるように消える、そんな生き方は
木のように根を張って生きたい
昔はこんなんじゃなかった気がするんだ
いつから逃げる癖がついた
思春期の、一番成長する時、ずっと逃げたい逃げたいと思ったから
大人になって、逃げられるようになって、逃げる目処が付いたとき、すごく安心するようになった
俺は俺をいじめる全てから逃れて古巣が滅亡する様を眺め、優越感に浸りながら高みを目指す
俺との別れを惜しむ人がいる
社交辞令か?
だけども連絡先を交換したりして
一言二言やり取りするんだが
その人の属していた組織を否定した俺はその人も否定していたような気がして
あと単純に興味がなくなっていって
連絡は途絶える
中身が詰まった人間がその向こうにはいるのに、俺はその人のことをほぼ忘れている
俺の中にその人の居場所がない
俺は常に反射神経だけで接している
仲良くなれたのに忘れている
そうして空っぽになっていく
過去をただ思い出にして
友人だった人はまだ生きているのに
知り合いになって、他人になる
他人だったはずの人が
時々、抜け殻の宛先の向こうから言葉を投げかけてくることがあり
その時、そこには人がいたのだと
一人の人がいたのだと思い出し
忘れていた自分の虚しさと、虚しい自分に触れる相手の温かさに泣いている
何度も泣いたが、やはり俺の中に人は住まない
孤独が苦ではない
ただ、人一人の価値を簡単に忘れてしまう自分の愚かさが情けなくなる
それが対等だ
なんだこの詩は