五年ほど前関わって、とにかく贔屓が酷かった人。相当嫌われていたからちょっと話しかけただけで言いがかりレベルの説教をされたりした。それが原因で体調を崩した。関わったのは数ヶ月だったけど今までの人生で1番理不尽な出来事だった。
そいつを先日見かけた。その当時暮らしていた場所でも今住んでいる場所でもなく、たまたま訪れた観光地だった。目を疑った。顔立ちならまだ似た人も居るだろうが、髪型、スタイル、声、服の系統までその人だった。
乗った電車が同じだった。相手はどうやら父親と一緒のようだった。こちらも恋人と一緒だった。あまりにチラ見していたためあちらも察したかもしれない。
降車駅も同じだった。降りて改札を出たところで行き先が別れた。後ろから肩を叩いて話しかけようか迷った。絶対にしないけれど階段を降りるところを突き落とそうかという考えすら過ぎった。結局そんなものだった。
5年間毎日夢に見る…ほどでもないが情緒不安定な時には必ず記憶の中から出てきた。怒っているとき下を向いているとさらに怒られるのでまつ毛ばかり見ていた。Facebookを探したりもした。謝るような人柄ではないのに、それなのに、謝ってほしかった。諦めてなかったはずだった。話しかけることすら出来なかった。
今後一切関わらない人にこんなうまいこと巡り合わせるなんて神様の仕向けたことかと思った。でもそのチャンスも生かせなかった。悔しい。
観光地とは書いたが行き先を見るにどうも地元住民のようだった。旅行という雰囲気でもなかった。恐らく仕事を辞めて地元に戻ったのだろう。あんな横暴さじゃどこでも上手くやれないはずだからね。そう思い込むことで少しだけ救われた。