楠みちはるの「あいつとララバイ」に「首都高の青い鳥編(首都高速のキング編)」がある。
楠みちはるの漫画なので例によって公道でレースをしてるんだけど(危ないね)、
首都高キングってのはSUZUKIのカタナに乗る、誰も正体を知らない謎のバイク乗りなわけなのよ。
その謎の男は首都高を走る馬鹿っ速のライダーで何人も挑戦者が現れるけど誰も勝てない、
やがて首都高を舞台にいったいどちらが速いのか?を争うことになる。
という悲運の天才レーサーの泣ける身の上話が展開されるわけ。
そのクライマックス、とっくの昔にバイクから足を洗ったかと思われていた元レーサーがひょっこり昔の仲間のもとに突然現れて言う。
ってセリフのあとに
『……首都高で』
ってキャプションとともに見開きページで早朝の首都高が描かれた中に
これがね、本当にね、最高にすごくいいんだよ。
といっても実は、すでにその漫画は手元にない。
少年の頃、何度も何度も読み込んだその漫画だけど実家が取り壊さるときにどこかへ消えてしまった。
だから、オレっちは記憶だけを頼りにそのシーンを何度も何度も反芻するわけ。
もちろん今や電子書籍の時代だからワンクリックでその書籍を買えることは言うまでもない。
だから、いつでも読み返すことは出来るんだけど、なんかね、そうしようと思わないんだよね。
今読んでも、多分、すごくいいんだろう、と思うし、死ぬ前にもう一度読もうとは思ってる。
でもね、いまはまだいいかなって思ってる。