遅く起きて少しだけ本を読んで昼寝をした
本は『蜂と蟻に刺されてみた』というイグノーベル賞を受賞した生物学者の本
自分の体で実際に刺されてみることで指数的に痛みを数値化して研究している人だ
読む前はバカなことをするもんだと笑っていたんだけど、虫って体が小さいから研究するために毒液を集めようにも1体からほんの少量しかとれなくて毒液中の成分分析とか毒液の作用の原因追及とかハードルが高すぎらしい
今日読んだところで面白かったのはシュウカクアリの集団交尾についての記述だ
この集団交尾には2種のシュウカクアリの雄と雌が参加するらしい
シュウカクアリの雌は精子を蓄える性質を持っていて、労働力をたくさん生み出すために別種の雄とたくさん交尾して、同種同士の交尾の結果の生殖用個体は少しだけ生めればいい
一方、オスは自分の遺伝子を後世に伝えるためには同種の雌と交尾をすることを望んでいる
この交尾集団でさらに奇妙さを増しているのはオスもメスも相手がオスなのかメスなのか区別できないから、とりあえず交尾しようとして判断するということだ
別種同士で交尾することが通常だというのも驚きだし、雌雄で交尾の目的が異なるのもまた面白い
人間の倫理や無理なアナロジーで測れない虫の世界は純粋に好奇心を満たしてくれる
昔、『ムシヌユン』を読んだときは爆笑したもんだけど、もう少し虫の生態についての本を読んでから再読したら違う感想を持つんだろうか
『ムシヌユン』は昆虫博士に憧れた気弱な青年が虫人間になって、性欲が抑えきれず大変な目に合う漫画なのだけど、人間側から見ると主人公の行動は奇妙だけど、虫側から見ると理にかなっていたりするもんなんだろうか
そのうち再読したいもんだ