2021-12-03

劇場アニメ『アイの歌声を聴かせて』を見た

俺はアフタヌーンコミカライズ入り口だった。単行本1巻も買っている。

映画面白かったことは間違いなくて、はてなー含む多くの人に見てほしいと思っている。

ただ、俺は本作のクライマックスを少々物足りなく感じた。

AI企業ビルシオン奪回しに行くクライマックスは、シオンの正体や行動原理の謎が明かされる伏線回収の見所と共に、

壮大な電脳イリュージョンが展開される。本作を絶賛する人は、謎が解明される快感や贅沢な画面に魅了されたのかもしれないが、

俺は今一つ乗れなかった。おそらく、あまり映画然としたクライマックスだったせいだろう。

本作のクライマックスは、熟慮を伴なわず固定観念的にサプライズや壮大なスペクタクルを配置した感じがして引っかかるんだよ。

 

クライマックスの前に、シオンメガソーラープラネタリウムを描き、サトミとトウマの距離が縮まるシーンがある。

無機質な人工物のソーラーパネル青空が映し出される皮肉で粋な描写を含む美しいシーンだが、

ならばそれに続くクライマックスには、さらに粋なもの知的ものを描いて見せるべきだ。

別にクライマックスが派手である必要は無くて、メガソーラーのシーンがクライマックスでもいいし、

シオンサンダー柔道をするシーンをクライマックスに持ってきて、そこで撃たれて終わってもいい。

なんにせよ、非アニメーターな人がアニメ監督をやるなら、作画アニメと張り合えるぐらいの“知的な芸当”を見せてほしいのだ。

 

まあわりと大きな不満点を挙げたものの、全体としては良作だし、ぜひ見に行ってほしい。

一つ面白かったのが、アヤちゃんの二人の友達のうち、黒髪ショートじゃないほうの子ちょっとシオン風のキャラデザなこと。

俺はこの子ロボットだと思ってたよ。たまごっちよりもずっと強い伏線臭がしていたが、裏切られた。

アヤちゃんがゴッちゃんと仲直りして性格が直ったのと引き換えに、二人の友達フェードアウトしてしまったのが気の毒だった。

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