社会全体の平均年齢が上がるってのはもちろんなんだけれども、高齢化によるデメリットの多くって「決定権のあるエリート階層で高齢化が極端に進んでいる」ってことじゃねえかなって思ってる。
一般庶民の平均年齢が上がることは、確かに働き盛りの年代が減り、そろそろ引退したり仕事で苦労したくない年齢になっても無理を続けなきゃならなかったりで、確かにあまり良いことはないんだけど、指導者層(政治家や企業経営者、官僚)の平均年齢がどんどん上がって行く事の害悪に比べると大したことはないのではないかと。
高齢者には若者と違って失敗を取り返すための時間に余裕がなく、そういう条件下での決定というのは「なるべく失敗を避ける」方向に向きがちで、リスクが大きい案件の場合には「失敗した時には俺以外が責任と損害を引き受ける」条件でなければやらない、みたいな退廃的な判断に傾きがち。 また、やり直す時間・シャカリキで稼げる時間が限られている高齢者は、貧富を問わず吝嗇になりがちで、失うものが大きい富裕高齢者ほど守銭奴になる傾向は大きいが、これも拡張的な方針ではなく、リスクを回避して安全策を取る事で縮小均衡を目指し、それがいよいよ行き詰まった頃には俺の寿命も付きてるだろうから気にしない、って判断に繋がっていく。
別に若い者への悪意や嫉妬があるからではなく、高齢者が高齢であるから自然に現れる傾向によって社会が衰退していくのだとしたら、これはなかなか解決の難しい話だよなと思うのである。
引退した層は引退した層で貯金と年金で生活する人間=デフレに繋がる政治を支持する巨大な票田となって日本を負のスパイラルに引きずり込むのである