2021-05-31

ワクチン接種した医療関係者宴会を開く事の是非

 ワクチン接種した医者宴会を開いた事をタグ付きで書き込み、プチ炎上したらしい。

自分はそれを見て何とも言えない気持ちになった。正直言ってこの問題には結論は出せない。


 心理学には「スパイト行動」という言葉がある。端的に言えば「他人が得をするなら、自分が損をしてでも足を引っ張る」という行動の事だ。日本人にはこれが多いという研究もある。

今回の事例もスパイト行動の一種だ。ワクチン接種した医者宴会を許せば、『将来自分ワクチン接種をした時にスムーズ宴会』が出来る。本来最適な行動は「ワクチン接種した医者宴会を許す」事な筈だ。

 しかし悪く言われがちな「スパイト行動」だが、勿論良い面もある。「特権」という社会の不均衡を無くす働きだ。医者に優先接種したのは医者宴会を開く為ではなく、国民の命を救うためだ。

 ワクチンを打っても感染する事はあるし、このような「特権」が恒常化すれば本来国民が受ける事が出来るワクチンまで医者に優先接種される慣習が出来かねない。


 人間合理性ではなく、感情と言う法則で動く生き物だ。その法則を踏まえた上でこの医者は動く必要があったと思うし、この医者達にも「自分たちはコロナで頑張ってるのだから、これくらいいいだろう」

という一種の「スパイト行動」が含まれていたのだろう。しかし割りを食ってるのは一般市民も同じで、コロナ医者生活が脅かされる事は無いが飲食店は潰れた所も多い。

 「命を救う」という価値基準で動く医者の言説で「若い人間を見捨て老人を拾った」という憎しみを医者に抱く人も多いだろう。


 「接種した医者宴会して良いよ」と市民が言い、「そういうわけにはいきませんよ」と医者が言うのが現実的で最適な行動であったと思われる。しかしそれが出来るほど社会成熟していなかった。

 「ワクチン接種禍」が予期されるこの半年、「裏切り」に怯えつつ耐えていかなければならない。

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