一方、種の保存に背きながら生きているゲイであることは自覚している。
デビューが遅かったこともあり慣れないことの連続だった。だが性交渉に持ち込むことは意外と容易かった。
ノンケの世界では非モテな自分も、ゲイの人には一部需要があるらしいことを知った。
しかしながらここで気付いた。
チン毛が生え揃った頃から自分はゲイであることに疑いを持ったことはなかったし、性的感情はもちろんある。
青春時代を高専で過ごしたため、そこいらに男は居たがその時も恋愛をしたことはなかった。
誰にも恋愛感情を抱かないことをアロマンティックということを最近知った。
ここでも疑問が生じた。
「良いと思える人がいなかっただけで、これから現れるんじゃない?」という意見も否定しきれない。とにかく自分でも理解しきれていないのである。
昨今、AK男子なるものが話題になっているらしいが、あえてどころか結婚すら制度上出来ない上に、そもそも恋愛も出来ないというのは端から見ると更に肩身が狭い。
この先突然床のシミと化してしまうのか、誰かと生涯を遂げることを選べるのかすら不定。
所謂非モテや陰キャで結婚が"出来ない"人とは何が違うんだろうとも思う。
性自認やセクシャリティに悩んだことがない人が正直羨ましい。人生の荷物はなるべく少ない方が身軽で気楽なはずだ。
なんで自分はこんな荷物を背負うことになったのかよくわからない。
預けられるなら今すぐにでもお願いしたい。