2021-01-03

義父の部屋

8年前に義母(妻の母)が亡くなり、2年前には義父(妻の父)も亡くなった。妻は3人きょうだいの真ん中。残されたマンション住宅ローンが、遺産(預貯金)でトントンとなる感じで、マンション所有権だけ、3人きょうだいに等分された。年上のきょうだいは遠隔地在住、年下のきょうだいは義父義母と仲が悪い。ということで、この部屋を掃除するのは、この部屋から自動車で1時間ほどのところに住む僕の妻と僕の仕事になった。

しかし、そういうプライオリティが低い仕事はなかなか手が付かない。そうこうしているうちに、コロナ禍が始まりさらに手をつける余裕がなくなった。ところが、コロナ禍の影響で、都心からやや遠くバス不可欠なあのマンション価格も、なぜか上がってきたそうで、下のきょうだいから「うりたい」という意見が出てきた。やむなく、年末に片付け第1弾に行った。

とても立派なコートがたくさんあった。全部、義父の腕の長さで袖が切られていて、僕には短すぎた。ていねいに洗って寄付することにした。

カメラがいくつか出てきた。交換レンズ複数あった。多分、新品で購入したときは高額だったんだろうけど、いまや、 iPhone 12 に性能的に足元にも及ばないカメラと、それのためのレンズ。欲しい人もいないだろう。メルカリで同製品をしらべてみても、送料になるかならないか価格でないと落札されていなかった。

時計も出てきた。誰でも知ってる海外有名ブランド自動巻き。動作するものがいくつもあった。そのうち1つは、きれいオーバーホールして、僕が使おうとう思った。

この他、主のいない部屋には、ホコリとサビにまみれた宝物がたくさんあった。多すぎて、何往復しても片付かない気がした。途中であきらめて、業者に渡すことになるのだろう。

自分も、終活を考えないといけないと、思い至った2020年の暮だった。

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