自分が店に求めるものは程よい雑音と自分を放っておいてくれる空間と美味しい食事やコーヒーなのだ。
店員の「いつもありがとうございます」という言葉に揶揄や悪意がないことはわかっちゃいる、そう言ってもらえて嬉しい。それにこれだけ短いスパンで通えば顔を覚えられるに決まっている。(私はハマると同じ曲ばかり聞くし、飽きるまで食べ続けてしまうやつだ)しかも私は結構背が高い、恐らく相手の記憶に残り易い。それも重々、そりゃもうめちゃくちゃわかっている。
それでも1人で通う店において自分はその他大勢、モブ、有象無象でいたい。”個”として認識されていることが分かった瞬間に「ああバレちまったもうあの店には行けない」と足が遠のいてしまう。
それでも私はこの店のモブでいたい、迷惑はかけない、常識はずれの長居もしない、そっと食べそっとお金を置いて帰る妖精ないし妖怪でいたい。
例の如く足繁く通っている。いつも対応してくれる店員は明るくて華やかな人で私は彼が大好きだ。ただどうかどうか私を認知しないで欲しい、ここのほうれん草カレーと焼き立ての大きなナンが大好物なんだ、お願いだからこの店のモブでいさせてくれと支離滅裂で無茶苦茶な祈りを捧げながら今日もこの店のガラスドアを押す。
下記の32番。 https://omocoro.jp/kiji/101534/