2019-10-22

冒険者ギルドができるまで

冒険者ギルドができるまで、魔物退治の仕事冒険者と村人の間で自由報酬が決められていた

その村では、かつて夏の長雨のあと、吸血羽虫のモンスター大量発生に悩まされていた

ある日若い男の冒険者がふらっと現れ、アースノーマットの魔法を使ってモンスターを一夜のうちに退治した

男は「僕のいた世界では普通のことです」「報酬なんかいりませんよ」などと言い、報酬を受け取ろうとしなかった。村人はみな喜んだ

 

それから数年たち、村では冬の旱魃のあと、バケネズミモンスター大量発生に悩まされた

その時現れた冒険者は、村のモンスター退治の報酬として帽子一杯の金貨要求した

結果その冒険者魔法の笛の魔力を使い一夜のうちにモンスターを退治した

だが、夏の長雨の時の冒険者の無欲を思い出した村人は

報酬を払う時期になって文句を言い出した

 

「前の冒険者無償でやってくれたのに」

「対して苦労もせずに仕事をやってのけ、多くの報酬を望むなんてひどい」

冒険者は何も受け取らず立ち去るしかなかった

 

悲劇はしばらく後の冬の朝に起こった

報酬の代わりを受け取りに来た」

冬の冒険者はそう言うと魔法の笛を使い村中の子供を連れ去り、東の地へと消えていった

村人たちは深く悲しみ、ニュースは国中に広まった

 

この話の教訓はこうだ

人はある仕事にかかる準備や技能習得コストを正しく計ることができない

無償で、あるいは廉価でやってくれた仕事記憶が残ると、その経験コスト計算基準になり

結果として価格の叩き合い合戦となり、市場は荒れ果ててしま

この事例の結果を重く見た全国の冒険者は、仕事報酬バランスを正しく決めるようギルドを制定し

報酬が適正な値になるよう調整することになった

 

自由市場デフレ合戦犠牲となった村には

このような碑文が建てられ、今の時代にも教訓を残している

聖ヨハネパウロ記念日

色とりどりの衣装で着飾った笛吹き男に

130人の子供らが誘い出され

コッペンの近くの処刑場所でいなくなった

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん