もう還暦近くになる知り合いに、慇懃無礼な俺様キャラのおっさんがいる。
コミュ力があって割とマメなんだけど、一方でスキあらば相手にマウントを取りたがり、自分のノリに巻き込みたがるタイプ。
だからマウンティングされつつもそういう構図を大して気にしない、コミュ障っぽい性格の俺はともかく、周囲のオヤジ連中の反感を買い、気がついたら疎遠になってしまっていた。
そんなふうだから、当然のように女性のことは全般的に見下している。
でもマメなうえに男としての甲斐性はあるような言動が取れる(=言動だけ見たら甲斐性ある男ってことになるし、相手から見れば言動が人格そのもの)と。
だから若い頃は泣かした女は数知れずを地で行く「悪い男」だったらしい。
そんなおっさんでも、奥さんには敬語使いまくりで「恐妻家っすか?」みたいな話し方をいつもしていて、奥さんは常にすまし顔。
聞けば、奥さんはそれまでの人生で生まれて初めて心底尊敬できて「俺なんか絶対敵わない」と思い知らされた人だったそうな。
そんな相手を持ち前のマメさで惹き付け、土下座外交orお願い営業を仕掛け続けて結ばれたと。
まあ冷静に考えれば、タイトル通り昔から漫画にありそうな、クズが運命の人に出会って改心した系の話の一つでしかないと思う。
でもこういうおっさんが、多分相手へのマウンティング目的も込みで虚実ないまぜに話すと、妙に美談に聞こえてしまうのだから始末に負えない。
夜がMなんだろう