オリンピック応援禁止令?--ツイート禁止通知と「アンブッシュ」規制法の足音 - (page 2)
https://japan.cnet.com/article/35087137/2/
まず商標権だ。確かにIOCやJOCは「オリンピック」や「がんばれニッポン!という言葉を商標登録している。だから、誰かがオリンピック饅頭とか、「がんばれニッポン!」という期間限定ショップなんて始めると、商標権侵害になりそうだ。また、不正競争防止法という法律もあり、エンブレムやオリンピックという言葉を無断で使うと不正競争にあたることもある。その意味で、度を超えた便乗商法は確かに危うい。
だが、いずれも、登録商標やエンブレムを「商標として使う」行為が対象である。つまり、商品名や店名としての使用が典型例だ。「記述的使用」と言って、単にオリンピックという競技を指し示すために、いわば主語ではなく目的語としてこれらの言葉を使うのは、基本的に違法ではない。この点で、JOCが挙げた懸念例は、明らかに広すぎる。こうした言葉をよほど特殊な状況で使うと違法になり得るという程度であって、通常のオリンピック応援レベルで違法になるとは考えにくい。
そもそも世の中の事象は多かれ少なかれ互いに連関し合って活動しているので、相互の言及を全て止めさせようとしたら、経済や社会じたいが成り立たないだろう。