2018-04-12

解説しない小説解説

小説を読むと、巻末に、解説という名の「他人感想文」が載っていることがある。

私はこれがとにかく嫌いで、解説があるだけで購入をためらうほどだ。


時代背景や著者などについて、しっかり説明をしてくれる「解説」はあまりに少ない。(私の読む範囲では)

解説」と銘打ちながら役割を果たそうとせず、あらすじをなぞる程度だったり、どうでもいい感想を述べている。

それを書いているのは著者の知人だとか、オファーによる内輪的なノリだから、内容も自然と媚びるようで、はたから見ていて寒いのだ。

訳者あとがき大丈夫かと思えば、他作品こき下ろす人もいて油断ならない。

(確かローワンだったか。「ハリポタ流行っているけど訳者こちらの方が面白いと思う」等と書いていた。

どちらを面白いと思うかは読者が決めることで内輪の人間が主張することではない。

著者でもない人間が本自体の印象を下げる行為は慎んでもらいたい)



では解説というタイトルでなかったら良いのかというと、それは違う。

あんなに私的文章を、作品と同じ媒体に含めてしまうことが理解できないし、納得もできない。

他人の「特別に載っている」感想で、作品の余韻が消し飛んでしまう。

なら解説など読まなければいいかというとそれも違う。

製本されている以上、カバーから奥付まで全て含めて本だから、割り切るのは難しい。

例えるなら、映画エンドロールで突然ワイプが出てきて知らない奴が感想を喋り出す。

または、絵を見に行ったら他人感想作品に直接糊付けされていた…という感じ?


これだけネットが普及して、様々な人が感想を発信できる今、本の「解説」内容の見直しをしても良いのではないか

客寄せのため、著名人解説を依頼することも少なくないだろうが、内容はちゃんとしてほしい。

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