ずっとそんな風に生きてきた。
はずだった。
彼は優しい人だった。
仕事熱心だった。頭も良い。
素敵なひと、尊敬できるひと。
その気持ちだけで良かったはずなのに。
それは彼の手だった。
ふとした瞬間から手がとても魅力的に思えた。
…男性の手に惹かれるのは手に性的な魅力があるからって聞いたことはあるけど
彼はパーソナルスペースが狭い人だったな。おかげでドキドキした。
この匂いが印象的だった。
シャンプーのような香りと、少し体臭が混ざってるように感じた。
まだ覚えてる。
なんだあれ。もう一回嗅ぎたいや。
気付いたときには胸がずきっと痛んで切ない気持ちを味わうようになってた。
彼に恋をしていた。
振り返ってみると見た目(手を除く)にときめくとかそういうわけではなかったんだけど。
まあでも一旦好きになるとぜんぶ魅力的に思えるけどさ。
でもできなかった。
恋のストッパーは効かなかったけど、理性のストッパーは効いてた。
それでいい。いいんだ。
良かった、何もなくて。
胸が苦しい。
多分、彼とは二度と会うことはない。
もう会えない。
これでいいのだ。
意外と大丈夫かと思った、でも涙がでてくる。
こういう感覚があることを初めて知った。
一緒に仕事をできたのが本当に良い思い出。
いつも優しい視線をくれる人だったけど最後に見てくれなかったな…
何度か飲んでたからきっと美味しいんだろな。飲んでみよう。
心残りは色々ある。しょうがない。ここまでにしよう。
君も幸せにな。 同じように思える人と出会えるといいね。
恋のストッパー タイトルの付け方が秀逸! この歌を思い出しました。 恋をとめないで - COMPLEX https://www.youtube.com/watch?v=m_9NM6flB1A