なってしまった。
とある小さな会社に去年の冬ごろ入ったが、何をやっても向かなかった。最後に俺にどうかと振られた仕事もダメだった。
最後の仕事内容を例えるならば、間違い探しをするようなものだった。それも毎回サイゼリアレベル(ものすごく難しいことで有名)で時間制限付き。
サイゼリアの間違い探しの間違いは10個あるがそのうち9個見つければ上々だと思う。だが仕事はそうはいかない。毎回10個見つけないと話にならない。
ついには仕事を振られず資格の勉強を余儀なくされた。要するに俺が退職願を出すのを向こうが待つフェーズに入った。
悔しかった。好きな業界で労働環境も良かったが、肝心のスペックが追いついてなかった。あまりにも無能だった。
会社での勉強の日々が続いた週の金曜日、上司に「今後の進退を考えてきて下さい」と言われ、うなだれて帰った。
母親に話すと「まあご飯でも食べなよ」と野菜たっぷりのしゃぶしゃぶを用意してくれた。
泣いた。25歳にもなって親の前で子供のように泣きじゃくった。
そして今週の月曜日、上司に退職したいと話すと彼は「おーい、◯◯くんがやめたいって」と社長に声をかけた。
まるで俺がやめたくて仕方がないみたいな言い方に腹が立つ。
自分が悪いとわかっちゃいるが「やめろオーラを放ってたのはお前らだろ」と心の中で言わずにはいられなかった。
終始イライラしていたが、最後に別の上司から「キミに向いてる仕事は他にきっとあるよ」と言われた時はお世辞でも嬉しかった。
じゃーな弊社。ありがとう弊社。
がんばれ!
よくがんばった。