2018-02-14

バレンタインデーの思い出

朝の通勤ラッシュで、きれいな紙袋を持った女性が(そして少数の男性が)目に付いた。

前日、近所の百貨店に母とチョコレートを買いに行った。母のチョコレート、何個いる?という問いに、義理友チョコ勘定に1個上乗せした数を伝えた。小6の頃、当時気になっていた男の子チョコレートを渡せたら渡すつもりだった。お互い両思いだったと思う。

さな缶入りのキャビアチョコレートはどう見ても義理チョコだったけど、12歳の女の子の握り拳で隠れてしまうくらいの大きさで、さっと渡すにはこの方が都合が良かった。

六年生の最後の席替で運命的にw隣同士だったから渡すタイミングはいつでもあった。

学校に着いてから、休憩中、昼休み帰りの会放課後

でも恥ずかしくて、結局渡せなかった。

帰宅後、母からチョコレートどうしたの?と聞かれて、数間違えて買っちゃった、と濁した。

この後、その男の子とは何も無く、中学に上がり可愛らしい彼女が出来たことを知ったりして人並みに胸を痛めたりした。

不思議なことにその後なぜか数度人生交錯する機会があったが、酷いことをしてしまったのを今でも後悔している。謝りたいが、これはこれからの私の人生の教訓として死ぬまで自責の念に駆られるつもりだ。

先日、男の子結婚したのを知った。

末永く最高に幸せになって欲しいと願っている。

あの時渡せなかった缶は今でも手元にある。中身のキャビアチョコレートは食べてしまったけど、代わりに水飴のように私の心の隅にへばり付いて、てらてらと輝き続ける思い出を仕舞って、たまに開いて、その香りで胸を満たす。

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