2018-02-09

anond:20180208164512

俺がカルビを「つらい」と思ったのは27歳のときだった。

就職氷河期200社近く受けて、新卒で入った会社が二年で潰れ、派遣社員としてギリギリ生活をし、派遣元派遣先ダブルパワハラ精神を壊し、数年の投薬治療の果てに寛解し、ようやく安定した職についた直後のことだった。典型的ロスジェネだった。

自分の金で焼肉を食べたことなんか、それまでほとんどなかった。アラサーでまともな職にありついて、これからは、自分の好きなときに好きな金で好きなものを食べられるんだと思った。

もう自分の体は、脂っこい肉を受け付けなくなってた。長年の野菜炭水化物自炊生活牛肉なんか買ったことない。揚げ物もやったことない。家賃4万のワンルームIHですらない電熱キッチンで揚げ物なんか出来ない。

たまに食べる脂っこい食べ物なんて、飲み放題付き3500円のワタミ唐揚げくらいだった。

手取り20万に届くか届かないかだけど、少なくとも職を失うことに怯えることはない。毎月一万円は貯金できる。数千円を外食に当てることができる。そんな生活を手に入れた俺は、身体内臓老いて、脂っこい飯を楽しむことすら出来なくなっていた。

自分の金で自分の好きな肉を食べられる時期というのは、驚くほど短い。夕焼けが輝く瞬間よりも短い。

できればそのわずかな時間を逃さず、思いっきり好きなだけ肉を食べてほしいし、オッサンに「肉食わせてやろうか」と言われたら、一も二もなく飛びついてほしい。

きっとそのオッサンは、自分が食べたくても食べれなかったカルビを、お前に腹いっぱい食ってほしいのだ。

  • わかる、それな 若い時に油ギトギトの美味しいやつ食べてほしいと思う

  • これ、長年の野菜&炭水化物の自炊生活に内臓が適応しただけじゃないの。多分粗食だろうから、食べる物に最適化されて胃が小さくなってんだよ。 またしばらく油ものとか食い出せば...

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