厳密に言うと、いい年をして然るべき身だしなみすらろくにせず平気で外に出る女が嫌いだ。
私は池袋で接客のバイトをしている。池袋はおそらく日本で、いや世界で最も女オタクが集う街であろう。仕事をしていると、化粧もせず、髪も整えず、おびただしい量の缶バッジをつけたカバンを見せびらかして大股で歩く女がわんさかやってくる。しかも何が悲劇かというと、未加工の顔面をひっさげているそのタイプの女は、たいていaxesだのAmavelだの、フリルやレースのたくさんついた身の丈に合わないガーリーな服を好き好んで着るのだ。服の怨嗟が聞こえる。私がもし生まれ変わったとしても、絶対ブスのイキリ私服のための布にはなりたくない。橋本環奈ちゃんの着るパジャマの一部とかになりたいに決まっている。
閑話休題。私とて、別に街を歩く女の顔がすべてアイドル並みになってほしいとは言わない。ブスに罪はない。かくいう私もブスである。自分のすっぴんはティム・バートンの映画「ナイトメアビフォアクリスマス」のエキストラにふさわしい、おぞましいホラー的造形であることも熟知している。
私が嫌いなのは、彼女たちが自分がブスであることを自覚しているのかしていないのかは知らないが、化粧、髪型、服装という、ある程度の年齢の女性が社会に加わる際の、外見的な最低限のマナーを守らず堂々と外に出ていることだ。
別に化粧をしないブスを見たくらいで人間は死なない。身なりを気にしないブスが違法という法律は、日本にはない。私の言っていることはわがままなのかもしれない。
あるいは、結局はブスの同族嫌悪なのかもしれない。