残業代なんて出る訳もなければ終身雇用なんて夢のまた夢の業界だった。
夢だけで食っている業界だった。
未来の見えない中で足掻くのに疲れて辞める人は後をたたなかった。
私もその一人になっただけである。
今思えば逃げて正解だったとは思う。
ただそこで問題が沸き出た。
それだけだ。
強烈に眩しい夢と雑多な業務に追われて足元など一度も見ていなかった。
問題はそこだ。
ホワイト企業で生きるための地盤を固めて、時間と金に余裕が出来ても、肝心なやりたいことは何もないのだ。
彼らはその生き方に順応しているのだ。
私は多感な時期を浪費してしまった。
その生き方ができる気配を感じない。
いや馬鹿にしているわけではないのだ。
馬鹿にしている自身を否定しきることは出来ないが、やはり羨ましいのだ。
ホワイト企業では生きたい意味や生きる理由がない人には辛いのだ。
その2つは似ているようでいて実は真逆だ。
なにかやりたいことを探さねばな。
人生は長い。
世界は広い。
少しずつ焦らずゆっくりと。
だな。