運動会などで組体操をやらなくなるというニュースを見て思い出した、中学生の時の話。
学年のうち、私のいた1組は真面目、3組は不良っぽい子や不真面目なメンバーが集まるクラスだった。
体育祭はクラス対抗で得点争いがあり、組体操の出来栄えも得点に含まれていたので、うちのクラスの男子は皆非常に真面目に放課後や空き時間に練習をした。
女子は見学だったが、殆どの者が練習に参加し、掛け声をかけたりして応援した。
練習時間外でも配置や姿勢等相談し、クラスがひとまとまりになって、とても楽しかったことを覚えている。
対して3組はあまり練習をせず、サッカーをしたりお喋りをしたりで熱心ではなかったようだった。
体育祭当日。
1組は練習の甲斐があって、難なく高度な技もクリア。タワーもピシリと美しく出来上がった。
3組はやはり、タワーなどはすぐ崩れてしまって上手くできなかった。
「俺たち組体操ができなかったのが悔しいです、もう一度やるチャンスをもらえますか!」
3組のメンバーは中学生日記の登場人物のように、自分たちの熱意を声高に叫んだ。
その声を受け、3組にはもう一度トライする時間が設けられ、グラグラしながらもなんとかタワーを完成させた。
体育祭は喝采のうちに終わった。
後日、なんとその話が”美談”として地方新聞に掲載されたのだ。
毎日こつこつ練習して成功させた1組より、なぜ3組が褒め称えられるんだ、不条理だと悔し泣きする私に、男子がこう言った。
そんな新聞に書かれなくたって、練習楽しかったし、いいじゃん!
確かに、練習で掛け声を合わせて上手くできた時や、練習後に小遣いを出し合ってたこ焼きを買い食いした事、毎日本当に楽しかった。
そんな懐かしい思い出。
ベクトルが大きく動くとソレに反応する人は多いからね、目立っちゃうのは仕方ない 今回は良い方向に目立ったみたいだけど、目立つと変なやつにも目をつけられやすいから諸刃の剣だ...