一、二年に一回くらい日本に帰ってくると、スーパーへ行ってこれらのものなどを買って、食べてばかりいる。
まぁ、自分が住んでいる国でも手に入れようと思えば大抵手に入るのだが、面倒くさかったり高かったりする。
こうやって見ると、今よりも金がなかった頃に、一人小さな部屋で食べていたようなものが多い。
くたびれたスーツで仕事から帰ってきて、最寄りの駅から自宅まで歩いて15分。
近所の小さな坂を上がると、薄暗い住宅街に、自分が住んでいた古いアパートの階段の灯りが見える。
ショルダーバッグの前のポケットから鍵を出して、ドアを開ける。
部屋着になって、食事の準備。
上に挙げているような食事だったり、安い食材で簡単な料理をしたり。
そんな、当時の気持ちを思い出す。
ついこないだのことのようで、気づいたらあれから10年経ってしまっている。
この10年でそれなりに成長できたような気もすれば、経過した時間なりの平凡なものでしかないような気もする。
あの頃より、金銭的な余裕はできたけれど、豊かな人生になったかと問われれば、答えに詰まる感じもする。
結局のところ、こんなものが食べたくなる育ちということか。