日本型大企業の多くは、その中に構造的矛盾を抱えていることが多い。
例えば職位ピラミッドがいびつだったり、評価が建前主義だったり、ものすごく非生産的だったり。
そうしたものは、日本的な価値観で非常に大人数を組織するための必要悪かもしれない。
ところで、ソフトウェアの世界では、コーディングより重要な概念として、「構造」がある。
ソフトウェアの構造は直接眼には見えないが、要は「目的を効率よく達成する要素の成り立ち/仕組み」のことだ。
構造を考える作業は設計と呼ばれる。また、特にプロダクトの骨格となる構造はアーキテクチャといい、それを作る人をアーキテクトという。
構造、特にアーキテクチャが良くないと、そのプロダクトの構築に多大な困難が発生する。崩れた基礎の上に家を建てるようなものだ。
だから、ソフトウェア技術者の世界ではコーディングよりも構造を考えることを大切にしているし、必要とされている。
ここでタイトルに立ち返ってまとめると、次のように言える。
つまり、大企業というものは、「その組織的な構造/アーキテクチャ」に問題が多いのである。
そして、ここで仕事をする設計者/アーキテクトは、常に改善見込みのない歪な環境に身を置くことになる。
「構造」の把握・改善を得意とする人間は、歪んだ構造に居続けると精神的苦痛を受ける。優秀であれば優秀であるほど。