多分本人は覚えていないけど、とにかくこれが尾を引いて、わたしは高校を卒業するくらいまで自分なんかがおしゃれしてはいけないと思っていた。女の子じゃないから。
高校生にもなって着飾ることに興味も見せないわたしを心配して、母親はあれこれ服を買ってきてくれたけど、わたしはあまり興味を示さなかった。というか示せなかった。そうしたら母親はなんでそんなに無頓着なんだと怒った。
大学に進学して一人暮らしを始める直前の春、たまたま母親と二人きりで作業をする機会があった。
その時に、母親に子育てについて謝られた。なんだったかなあ、2つ年下の弟を優先して辛い思いをさせてごめんね、みたいな感じだった。半分泣いてた。
正直あんまりそんなこと考えたことなかったからびっくりした。そんなことより女の子じゃないって言われたことの方がずっと印象に残ってるんだけどなあ。
高校を卒業して、遅ればせながらわたしもメイクというものを習得した。メイクをしたら、わたしもおしゃれっていうものをしていい権利を得たような気がした。自分で服を買うことを楽しめるようになった。わたしが自分で買った服を着て帰省すると母は喜んだ。
ただ、たとえメイクをしていても自分の顔を見ていられなくて、写真を撮られるのは未だに嫌いだ。旅行に行っても自分の写真を撮ってこない私に母親は冗談交じりの恨み言を言う。
わたしにとって母親はある種の理想の女性だ。専門職についてバリバリ働いているし、家事全般も得意だ。
たぶん愛されて育ったと思う。わたしは母親を含む家族が大好きだ。
ただ、就活を控えた自己分析で小学校の頃の印象に残ったエピソードを書こうとしたら、「女の子じゃないみたい」と言われた日のことが真っ先に蘇ってきて、無性に悲しい。なんなんだろうなあ。
それを素直に母親に打ち明けたら心がほぐれるのかもしれない 増田に書いて心境が整理できたならあと一歩だ
本 言 糞