なんでかって考えたら、答えは多分これ。
脇役を、プロットが求める台詞を言わせるためだけに動かしてる。
キャラクターが作り込まれていないから、その台詞や行動が唐突になる。
“脇役本人にとっての必然性”が見えないから、脇役が魅力的に見えない。
今回は絵としてのキャラクターデザインがしっかりしてる分余計に、脚本の上でのキャラの薄さが気になる。
これまでみたいに「ふたりの恋」を際立たせるためだけに最小限の脇役を配置するだけならそれでもいいのだけど、
これだけ多くの登場人物が動く物語となると、そうはいかない。けっこうな尺を彼らが埋めるんだから。
その上、脇役に尺を取られる分、主役の「ふたりの恋」さえ十分に描けてない。
「紐」という「結び」の象徴、「夢だから忘れる」という仕掛けも、
同じくプロット上必要だから置いてあるだけで、どうにも物語の流れの中で上手に出てこない。
脇役がそれを語る/見せる必然性が薄いから、ご都合主義的なセリフ・設定の開陳に見えてしまう。
俺の記憶の限りでは、これまでの新海作品だと基本的に物語は「男子×女子」のふたりだけで進み、
その恋の有り様だけがテーマで、他の役や伏線はそれを際立たせるためだけの小さな仕掛けでしかなかった。
だからきっと、慣れてないんだよ。
これだけの物語で、風呂敷を広げて、多くの登場人物を動かして、物語の中できちんと回収することに。
次の作品にはきっともっと多くの予算が付き、もっと多くの優秀なスタッフがアサインされ、
もっとがんがん広告を打たれて、もっと多くの期待を集めるんだろう。
で、出ーーー
これはなるほど納得な感想だわ。
こう言っておけば映画通っぽいっていうのの見本みたいな感想。 むしろ通として薄い。 おれはむしろ『今作で初めて物語に乗り出した作家』としてはよくやったと思ったよ テッシーが...
『今作で初めて物語に乗り出した作家』 「星を追う子ども」を忘れないで差し上げて