中高の学校行事で、空いた時間に何を遊ぶかといえば、トランプとウノが二大勢力だろう。
トランプの強みは、なんといっても遊び方の種類が豊富なことだ。
一番メジャーなのは大富豪だろうが、それに飽きたら飽きたで他の遊びもできる。
しかし、ウノにもまた、それらを向こうに回して戦えるほどの存在感があった。
だが、考えてみると、ウノはローカルルールにずいぶん侵食されていた。
一応カードと一緒に説明書はついていたが、いつの間にかみんなそれを無視して遊んでいた。
例えば、オリジナルのルールでは、カードは一度に1枚しか出せない。
ところが、ローカルルールにおいては、同じ数字であれば一度に何枚でも出すことができた。
これにより、多色による多面待ちで、一気にあがることが可能となる。
もはや、ウノという名前そのものに全力でケンカを売るような有様だった。
他にもまだある。スキップやリバースも複数枚同時に出せるというルールがあった。
うろ覚えだが、確かオリジナルのルールでは、ドロー2を出された時には何の抵抗もできず、
一方、ローカルルールにおいては、ドロー2やドロー4を出せば次の人になすりつけることができる。
それから確か、ワイルドドロー4は他に出せるカードがない時のみ出せるとかいうルールがあって、
これを破った時のペナルティで「チャレンジ」とかいうのもあったはずだが、これも無視されていた。
そもそも、オリジナルルールでは、最初に一人があがった時点でゲームは終了し、
残りの手札に応じて点数計算を行うことになっている。
やはりこれもなかったことにされていて、最後の一人が残るまで延々と続けていた。
ここまでくると、もはや原形を留めていない。
思うに、空いた時間で手軽に遊ぶ、さらに人の出入りもあり得るという状況では、
いちいちスコアを記入する必要のあるルールは合わなかったのかもしれない。理屈はいろいろつけられる。
だが、それにしたって、ここまで改変されたのはなぜなのだろう。
面白くなかったのだろうか?