ネットでフィクションの内容が批判されていると、すぐに「自分たちは現実とフィクションの区別くらいつけられます」て反発が湧くし、自分もそうあろうとはしているんだけど、
最近読んだある作品は、なんていうか作者本人が現実とフィクションを分けられていない感じで、考えてしまった。
登場人物の台詞が、まんま作者の思想で主張で、受け手に押し付けてるだけじゃないかって。よくあることだけど。
それ読んでると、どうやら作者は本気で、その作品のメッセージ性で受け手の何かを変えられると信じてるんじゃないかって感じた。
現実に影響を与えることを目的にしたフィクションというのが存在するのなら、「現実とフィクションの区別」を本当につけなければいけないのは誰なんだろう。
なりすましやデマの風評被害や、創作実話なんかも現実に影響を与えるためのフィクションと言えるし。
作者が「これはただのフィクションで作り話ですよ」って前置きしても、キャラや物語に感情移入してしまったファンが、「夢を壊すな」とそれを受け入れないこともあるし。
「自分たちは現実とフィクションの区別くらいつけられます」て言うのは簡単だけど、現実はそんな簡単じゃない気がしてきた。
昔好きだったゲームのシナリオライターが、たまたまSNSで「自分の作品には政治的思想を込めたから、その影響を受けた若者は間違った政治思想には染まらないはず」みたいなことを言ってるのを見て、自分はショックを受けた。
まあ、自分はべつにそいつの意図通りにはならなかったんだけど、まんまとそいつの意図通りに政治的信条まで左右されちまったユーザーはいるのかな?
政治的なことじゃなくても、なんかやたら自分の作品でバカな若者を説教したがる作者ってのもいるし。みんな本当に「現実とフィクションは別物」って信じてるのかな?