たとえば以下のような例文について、冷静に考えてみてほしい。
A)
「ねえ、○○まで連れてってよ」
「なんだと?オレは雲助じゃねえぞ!」
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あるいはこうだ。
B)
「まったく、隣の犬はワンワンうるさいねえ、あんた、捕まえて捌いちゃいなさいよ」
「オレにヨツの真似事でもさせようってのか?冗談じゃねえ!」
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例Aでは、明らかに現代社会でいうところの、タクシードライバーという職業に対する差別的な眼差しを含んだ語が、用いられている。
例Bは、食肉解体業に従事されている方への、同様のそれである。
職業差別が絶対に許されるものではないという前提は、共有できている前提で話を進める。
はてなで現在用いられている「マウント」および「マウントを取る」という語についてだが、
「議論の相手に対して優位性を保とうとする、保っていることを誇示しようとする」という意味以外で使っている人はいるだろうか。
これは見逃しがたい、重大な差別的言動であり、レイシズムである。
これは。総合格闘技を含んだ組技格闘技の用語である「マウントポジション」を「取る」「取りにいく」という行為を。モチーフとしているのは、明らかである。
はてな民が大好きな、小野ほりでいも、同じ理解のようであるから、間違いない。
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「不毛の連鎖! ネット上で優越感を奪い合う”マウント勢”とは?」
http://togech.jp/2013/12/16/4878
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これは組技格闘技を職業とされている方々にとっては、ある種の重大な目的とは言わないまでも、
たとえばタクシードライバーにとっては乗客の望む行き先を間違いなく聞き出すとか、
たとえば食肉解体業従事者にとっては牛の眉間に間違いなく銃を押し当てたりとか、
そういった職業上欠かすことの出来ない手段として、日々行っている、通常通りの業務上の手順なのである。
組技格闘技従事者の方々に「あなたはマウントを取ろうとしたことがありますか」とアンケートを採ったら、99%がイエスと応えるはずである。
それを、はてな民は、他者に対して、優位性を誇示する、卑しい行いの比喩として、用いているのである。