普通の高校では、現代文の授業で「夏目漱石・こころ」を読まされるらしいが、何故か自分の高校時代は、読まされなかった。
いい歳して、文豪の作品を知らないのも何なので、改めて「こころ」を図書館で借りて読んでいる。
この作品は、さんざん「Kと先生と御嬢さんの三角関係」にスポットを当てられた文芸解説がされることが多いが、
(高校の必修読書じゃない、自由な読書だから、そういう読み方が出来るのであろう)
先生は叔父さんに「叔父さんの娘」、つまり「従妹」との縁談を強要されるのだが、
そこで「従妹だと、あまりにも親近感ありすぎて、逆に恋愛感情が沸かない」という理由で、
当時の結婚は、本人同士の「恋愛感情」は一切無視して、親同士が仕掛けた結婚が大半なので、
「従兄妹同士で、恋愛感情が沸くか、沸かないか」なんかは一切無視して、従兄妹縁組がなされていた訳である。
漱石はそこに「従兄妹同士でも、恋愛感情が成立しないと、縁組を拒否する」という、近代人の恋愛システムを持ち込んだのである。
※因みに、漱石は「従兄妹恋愛そのものは、否定していない」。『彼岸過迄』という作品では、従兄妹同士の恋愛を描いている。
「気心知れた従兄妹同士なら、通婚するのに恋愛感情は別に必要ないでしょ?」という当時の常識が、徐々に変質させていった、と読むのは、
考え過ぎだろうか?
漱石って、「従妹萌え」文学の元祖だったんだな。 「妹萌え」まで、あとラストワンマイル。
そんなことは無い http://anond.hatelabo.jp/20150418195811