体の弱い私を育てるために、当然専業主婦だった。
布団のシーツも2日に一回は洗濯。いつもおひさまの香りのする布団で眠る。
学校帰りに塾に行くようになってからは駅で待ちあわせて一緒によるご飯を食べる。
父親にどんなに怒鳴られても離婚しない忍耐強い母。
母が一人で遊びに行くことなんかない。
昔からの友達に遊びに誘われても「娘の面倒を見なきゃいけないから」と家を出ることはなかった。
私が大学生になっても同じことを言っていた。
私からしたら子育てのために何もかも失った人間にしか見えなかった。
3歳のころには「お母さんは私がいなければもっと幸せなんだろうな 」と思っていた。
十分に愛情は受けていたのだけど、どうしてもそうとしか思えなかった。
お母さんは可哀想な人
私は生まれてこなければ良かった
いつも寂しい寂しいと言っている。
何もかもを犠牲にして子育てして、還暦過ぎて娘に無視される私の母親はとても可哀想にみえてしまう。