古くから『地震、雷、火事、親父』という言葉もありますが、怖いものって本当に人それぞれ。
尖った物が怖い先端恐怖症、高い場所が怖い高所恐怖症、狭い場所が怖い閉所恐怖症など……
自分の知識が無いだけで、世の中にはもっと恐怖症があるかもしれません。
高い所が好きな人からしてみれば『こんなにいい景色で気持ちいいのに』、狭いからって死ぬ訳じゃないのに怯える心理がわからない……。
会話には問題ないので広汎性発達障害が正式な所かと思いますが、自閉傾向がある者として話を進めさせて下さい。
この文章を読んでる方の中にも自閉傾向にある人間が怖い、という人がいらっしゃるかもしれませんが、もう少しだけお付き合いくださると嬉しく思います。
自閉傾向と、冒頭の『恐怖』に関する話になんの関係があるんだ、というのはごもっともです。
自閉傾向がある人間は、普通の人より『世の中に対して恐怖心がある』
そういう話がしたくて画面に向かっています。
理解しろ、便宜を計れ、と主張したいのではなく、少し想像してみて欲しいんです。
相手の気持ちが理解できない、身勝手な者の身勝手な言い分ですが……
少しだけ、考えてみて下さい。
目の前にあるものが全部恐怖の対象になったら、あなたはどう感じますか?
普通の人でも……普通の人だからこそ、想像しにくいかもしれません。
他人の話し声が全部、黒板をフォークで引っ掻く音に聞こえたら?
耳をふさいでなんとか逃げようとするのではないかと思います。
目の前にいる人の表情が変わらず、いきなり怒り出したら?
ひじきが這い回る虫に見えて食べられなかった……
というのは幼少期の自分の体験ですが『普通の人がなんとも思わないものに恐怖を感じる』『見えるもの、感じるもののすべてが得体がしれなくて怖い』
異世界に放り出された宇宙人、というのがしっくりくるかもしれません。
(自称宇宙人のアスペルガー症候群や高機能自閉症の方、多いと思います)
目の前にあるものに恐怖しかない世界……あなたならどう感じるでしょうか。
この『世の中恐怖症』、周囲の協力を得れば治せたりします。
根本的な自閉部分は脳の機能ですから、完全に取り去ることは出来ませんが、『これは怖くないものだ』と認識を書き換えることが出来れば、恐怖症は治せます。
幼少期に治す方が望ましいと思いますが、成長してからも行動次第で恐怖は減らせるんです。
乗り越えられることから逃げていたら、普通の世界に生きてる人たちにも迷惑になってしまう。
人と違うからこそ、乗り越えられることは乗り越えなければと思いますし、違うから仕方ないと諦めることも必要になってきます。
他者と接するだけでも神経をすり減らすのに、周り全部が恐怖の対象だったら……すごく疲れますよね。
もちろん、自閉傾向のある人間と接して普通の方も相当神経をすり減らしてると思います。
『どうしてこんな当たり前のことがわからないんだろう』と。