>いざ失敗したら、担当者の代わりに処刑される役目を引き受けるのだ。
営業さんには営業さんの苦労がある。
それは分かっている。
その上で言わせてもらうと。
「いざ失敗」に至る過程の中で、関わった「担当者」たちは処刑されるまでもなく虐待死しているのだと、分かってくれ。
「代わりに処刑」とか、何か悲壮な覚悟でもしてるつもりかもしれないが、
担当者は自分がしたわけでもない安請け合いを何とか実現するために、生活や健康を犠牲にさせられる。
「今日中に富士山に登頂してきてくれ」と言われた方がマシなレベルのスケジュールが延々と続くのが失敗プロジェクトだ。
一つのプロジェクトが失敗に至るときの現場は、地獄以外の何物でもない。
リーダーが出社拒否し、若手がうつ病になった挙句に転職先も決めずに退職し、中堅が代わる代わる病欠しながら週末も昼夜も問わず現場に居つづける、
そういう状態にならなければプロジェクトは終わってくれない。
一つプロジェクトが失敗すれば、関わった担当者の半数はその先の人生が変わる。
それがプロジェクト失敗だ。
そうなったときに、あなたがどう「担当者の代わりに処刑」されて、どう「リスクを引き受け」てくれるというんだ?
担当者たちが休出しはじめたら、「ああ、こりゃ無理だ」とそのプロジェクトをさっさと終わらせてくれるのか?
辞めた人に次の職場を世話してくれんのか? プロジェクトの赤字を補填して、担当者たちが蒙った精神的苦痛に対して慰謝料を払ってくれんのか?
あなたが本来の意味で処刑されずに生きているのなら、そのプロジェクトで一番つらい思いをするのはあなたじゃない。
処刑されなくていいから、2倍の納期か2倍の予算を勝ち取ってくれ。
それ以外に、担当者に対して示せる誠実さはない。