>いやいや、でも司法制度も予算配分も民意の代弁者たる代議士と選挙の結果で左右されるわけですから、やはり民意は最上位にいると思いますよ。
大枠ではそういう理解でいいのですが「民意が最上位」と言ってしまうとやはり正確性に欠けるのです。
どこが不正確かというと「民意の代弁者たる代議士」という部分が実はずれています。
少々ややこしい話ですが「代議士は国民の代表者であっても、代弁者であることを求められていない」というのが代議制民主主義の基本的な立場なのです。
日本国の法制度は(一部直接民主制的な要素も取り入れつつ)基本は代議制民主主義に依っていますので、「民意そのもの」ではなく「民意を受けた話し合いの結果」が最上位の意志決定者なのです。
一見どうでもいい違いに見えますが、これは代議制民主主義という思想の根幹の部分です。
実際にどう違いが出てくるかというと、例えば国会議員が選挙で公約した意見を国会で話しあった結果変えたとしたら、もし「民意が最優先」であれば、その議員は罷免されるべき、というのが論理的帰結ですが、法制度はそうなっていません。これはそもそも「代議制民主主義思想」が「民意そのもの」ではなく「一般意志」を重視する思想だからです。
直接民主主義思想であれば「民意が最上位」という言い方もありえるのですが、代議制民主主義思想は違います。代議制民主主義における議会等の機関は「全市民が集まるのが無理だから」等の技術的な問題による民意のやむを得ない代替物ではなく、「民意そのものより、民意を元にした話し合いの結果の方がより一般意志に近い」というイデオロギーにより設けられています。ある意味非常に西欧的な「話し合いという理性への信頼」「衆愚への懸念」が根底にあるわけです。
裁判には民意を反映させるべく、裁判員制度が導入されましたよね。
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いやいや、でも司法制度も予算配分も民意の代弁者たる代議士と選挙の結果で左右されるわけですから、 やはり民意は最上位にいると思いますよ。 憲法であれ変えることは可能ですしね...
>いやいや、でも司法制度も予算配分も民意の代弁者たる代議士と選挙の結果で左右されるわけですから、やはり民意は最上位にいると思いますよ。 大枠ではそういう理解でいいのです...
なるほど、勉強になりました。