2014-04-13

http://anond.hatelabo.jp/20140412234913

>いやいや、でも司法制度予算配分民意代弁者たる代議士選挙の結果で左右されるわけですから、やはり民意最上位にいると思いますよ。

大枠ではそういう理解でいいのですが「民意最上位」と言ってしまうとやはり正確性に欠けるのです。

どこが不正確かというと「民意代弁者たる代議士」という部分が実はずれています


少々ややこしい話ですが「代議士国民代表者であっても、代弁者であることを求められていない」というのが代議制民主主義基本的立場なのです。

日本国の法制度は(一部直接民主制的な要素も取り入れつつ)基本は代議制民主主義に依っていますので、「民意のもの」ではなく「民意を受けた話し合いの結果」が最上位の意志決定者なのです。


一見どうでもいい違いに見えますが、これは代議制民主主義という思想の根幹の部分です。

実際にどう違いが出てくるかというと、例えば国会議員選挙公約した意見国会で話しあった結果変えたとしたら、もし「民意が最優先」であれば、その議員罷免されるべき、というのが論理的帰結ですが、法制度はそうなっていません。これはそもそも「代議制民主主義思想」が「民意のもの」ではなく「一般意志」を重視する思想からです。

直接民主主義思想であれば「民意最上位」という言い方もありえるのですが、代議制民主主義思想は違います。代議制民主主義における議会等の機関は「全市民が集まるのが無理だから」等の技術的な問題による民意のやむを得ない代替物ではなく、「民意のものより、民意を元にした話し合いの結果の方がより一般意志に近い」というイデオロギーにより設けられていますある意味非常に西欧的な「話し合いという理性への信頼」「衆愚への懸念」が根底にあるわけです。

記事への反応 -
  • 裁判には民意を反映させるべく、裁判員制度が導入されましたよね。

    • ええ。だから「取り入れた」だけなんです。 民意を以てしても法の論理を越えた量刑を課したりできないわけです。 民意で決定するなら、陪審員の意見を裁判官の意見を越える最終決定...

      • もちろん最終決定権がすべて民意にゆだねられた訳ではないですが、 求刑を超える判決が出ているケースもありますよね。 これは従来の法の論理から出た判断(求刑なのでさらに+αさ...

        • 「科学に民意は口出しするな」と言ってるわけではありませんよ? 元増田氏が「民主主義では民意が最上位だ」という政治学の基本に反した事を書いているので、そこを訂正するだけの...

          • いやいや、でも司法制度も予算配分も民意の代弁者たる代議士と選挙の結果で左右されるわけですから、 やはり民意は最上位にいると思いますよ。 憲法であれ変えることは可能ですしね...

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