傍から見る人には飽く迄、
マズローが言う。
人が求める欲求には5つの段階がある。
安全の欲求とはそれを安定させたいという欲求を言う。
その上位にある親和の欲求は集団的帰属を表し、
自己実現の欲求とはすなわち、
創造的活動にある自らの追求にあるという事だと思う。
もっとも顕著なのは、その対象がクライアントであるか自分であるかという所。
デザインには対象が求める位置・目的・成果を満たすという前提を達成する為に作り上げるというある種の制約がある。
本来の芸術にはそれがない。
満たすべきは自らの満足であり、創造の追求、引いては、自らの追求心である。
対象のある欲求・満たすために他人を介する必要がある欲求。
これを満たした時に手にする事が出来る快楽を【相対的快楽】と称し、
自らで完結可能な欲求を満たした時に手にする事が出来る快楽を【絶対的快楽】と、
僕は、そうして位置付けている。
相対的快楽は認知にしろ非認知にしろ、出発点に必ず対象がある。
異なるプロセスを踏み、全く異なる着地点を導くが、
それは限りなく絶対的快楽へと近づき、自己完結(セルフフィニッシュ)への道へとなる。
悲しいかな、他人の認知がなければ芸術家は芸術家と呼ばれない。
本来あるべき創造主は自己完結により快楽を覚え、他人との比較を必要としない。