http://news.livedoor.com/article/detail/7060441/?utm_source=m_news&utm_medium=rd
これを読んで思い出したことがある。
出産したのは某公立病院。最近では出産できる産科のある病院が減っているのはそれなりにニュースになっている通り。いろいろな口コミサイトを見て公立病院を選んだのはほかでもなく出産費用が安かったからだ。出産費用もピンキリで高かったり安かったりする。最近では費用と比例して産院にもいろいろ個性や特徴や多様なサービスがあって、そんな中で公立病院というのはとても色気がない選択肢だった。必要最低限のサービスしかない。
出産後の入院中の部屋も個室などではなく6人部屋だった。カーテン一枚隔てた隣のベッドからは新生児を迎えた母親とその家族の様々な人間模様が透けて見えてくる。箱はあくまで病室の形をしているのだけど病気で入院しているわけではないし、生まれたばかりの赤ちゃんを見ようと来訪者もひっきりなしに入れ替わり立ち替わりする。
私のいた6人部屋の一つのベッドに見るからに若いギャルママがいた。入院中なのにいつもばっちりお化粧をしてつけまつげもつけていた。そして他の母親がみんな入院用のパジャマを着ているのに、そのギャルママはパーカーとホットパンツという服装。彼女の他にそこまで若そうな母親はいなかったし、とても新生児を抱えた母親には見えない彼女の姿は必要以上に注目を集めていた。
若いってこういうことだろうなぁと私は彼女を見て思っていた。どんな経緯があって若くして母親になるのかは人それぞれだから、自分で選んだ選択肢に見合った人生がその先に待っているだろう。
そんな中、何日か入院して顔を合わせているうちに母親同士の間でコミュニティが形成されるようになっていった。面倒なので私は係わらないようにしていたけれど、そのコミュニティを仕切っているやかましそうな人がいて、仲のいい数人とでギャルママの彼女をなんとなく目の敵にしているのがわかった。
こんな数日の入院で解散するような浅いコミュニティでも目の敵にされてしまうんだから、この先もやっぱり何かと目をつけられやすいんだろうなぁ。ギャルママであるということはなかなかどうして、面倒も背負っていくことにもなるのかなぁ。
もうちょっと長引けばいじめにもなりそうなその雰囲気を感じたかどうかはわからないけれど、数日後、彼女は夫のおばあちゃんという人と一緒に退院していった。ギャルママの派手な服装と濃いメークと、夫のおばあちゃんという人のしわくちゃの顔と地味極まりない服装の対比をなんとなく印象に残したまま。