アメリカでは、母が転落死した子供が、人形でその様子を再現した。
子どもたちはときに、大人が考えつかないほど残酷な行動をとる。
だがけっして、子どもたちがおかしくなったとだけは思ってはいけない。
非言語的なコミュニケーションを中心としたプレイセラピー(遊戯療法)やアートセラピー(芸術療法)では、人形遊び・粘土細工・絵画・ゲームを用いた創作行為(表現活動)によってカタルシス(感情浄化)の効果を引き出し、虐待状況を遊びの中で再現することによって自己洞察(アウェアネス)を深めていきます。トラウマの問題を解決する為に実施される遊戯療法(プレイセラピー)を、「トラウマを受けた後に適用する遊戯療法」という意味でポストトラウマティック・プレイセラピーと呼ぶこともあります。その場合には、室内の安全性と玩具の選択が十分に配慮されたプレイルームで遊戯療法を実施し、子どもの内面的な感情や虐待的な家族関係を『遊びの内容』で象徴的に表現させるように工夫します。
どちらの事例も照らし合わせると、奇妙でおぞましい遊びではなく、子供たちが、トラウマを克服しようとしていることがわかる。
肉親を失う、たくさんの人が死んでいく、そういった過酷な状況は、大人ですら平静でいられない。
精神の平衡を乱し、一時はふさぎこむだろうし、そのまま立ち直れない可能性もある。
子どもなら、なおのことだろう。
同じトラウマに対し、ある人は泣き叫び、ある人は怒り狂い、ある人はふさぎこむ、というように、人は実に多様な関係を築く。
今回の地震では、多くの人の日常が、命が、はかなくも崩れ去った。
受け止め方は、さまざまある。
被災地にほど近いわたしの家には、被災者である姉家族が滞在している。 幸い怪我もなかったが、勤めていた会社もなくなり、住んでいる場所は避難区域らしく、義兄は不安がり、姉は...
アメリカでは、母が転落死した子供が、人形でその様子を再現した。 パキスタンでは自爆テロごっこという遊びがある。 子どもたちはときに、大人が考えつかないほど残酷な行動をとる...