新卒一年目の時にASD(あと多少ADHD)グレーゾーンであることが判明した。
特性もあって一社目はそれなりに苦労したが、そのおかげで得意不得意が明確化され、それを参照して選んだ二社目はなんとかハイパフォーマーとしてサバイブし、順調に給料も上がっている。
そして、プライベートではグレーゾーンであることをそこまで隠していないので、たまに同じく発達障害で悩む人間からキャリアに関する相談がくる。
・自分が男性かつ既婚者で、働いて稼がないといけないという強迫観念がモチベーションになったこと
・ASDの中でも所謂受動型と積極奇異型のミックスで、コミュニケーションの矯正が比較的容易だったこと
・発達障害とはいえベースのIQは高めで、過集中などのブースト恩恵を受けやすい知能であること
・そもそもグレーゾーンであってそこまで重い症状ではなく、日々のTipsである程度カバーできる範囲であること
このあたりの、自分の努力以前の生まれ持っての気質や外部要因がかなり影響していると考えている。
一方で、相談してくる人間たちは自分に「一発逆転の魔法の発想の転換」を求めてくることが多い。
これを言ってしまえばおしまいだが、自分は発達障害の中ではかなり恵まれている方なので、正直ロールモデルにはなり得ない。
一口に発達障害と言っても症状が多様すぎて、正直全員に当てはめられる納得の解なんてない。
支援機関から講演だかなんだかの依頼が来たこともあるが、同じ理由で断った。
東京一工早慶くらいならともかく、そうじゃない「一般的な能力−デバフとしての発達障害」とか、ますます自分の体験でカバーできる話ではない。
最近ブームもあってから、発達障害をまとめて語ろうとし過ぎている気がする。
弱者男性議論と同じで、このままだと救えるものも救えないので、もっと細分化した概念として世の中に浸透させた方がいいと思う。