2017-02-25

ここぞという重要局面で、感情に任せて理性的判断が出来ず更なる事態悪化を招いてしま登場人物について。

たとえば敵にトドメをさせないで躊躇してしま主人公とか(逆に生かしておくべき敵を個人的怨恨で殺してしまったりも)、隠れてろと言われたのに仲間が心配とかで外に出てきてしまって攫われるヒロインとか。

昔はすごく嫌いだった。お前がそこで個人的感情を優先させたせいでどんだけの人間迷惑がかかる(かかった)と思ってるんだよとイライラした。

なのに最近、逆にそういった登場人物こそ好きになれるかもしれないと思うようになった。

自分自身が常に理性的な行動を取る登場人物共感しにくくなってしまったというのはある。

人間舞い上がってしまうと周囲が見えなくなるし、心配になれば居てもたってもいられなくなるし、惚れ込んでしまった相手には盲目になるだろう。少なくとも自分はそうだ。そこに論理的理由あんまり存在しない。辛い時は辛い。

感情とは厄介なもので、時に理不尽だ。理性でねじ伏せた上で最善の行動を取ったらそれは物凄い盛り上がるが、逆に感情に振り回されて誤った選択をしても、それはそれでどうにもならないものへの無力さを感じさせられて面白い文字通り人間そんなもんだよなとどこかで安堵し、そしてその誤った選択を取ってしまったキャラクター共感してしまう。

逆にどんな事態でも冷静に状況を把握し、最善手を取ろうとするキャラクターには、むしろ近寄りがたさのようなものを感じるようになってしまった。登場人物全てが理性的な行動を取ることでスムーズに進んでいく物語となると、むしろ自分なんかが読んではならないのではないかというレベルで畏怖を感じる。こうありたい、ありたかったという憧れを越えて、劣等感を抱かされてしまう。

ただ単に自分が、現実のあらゆる(という訳でもないけれど)局面感情に任せて失敗してきたから、そういったキャラクター感情移入というか自己投影するようになったというだけの話なのだが。

だが、だからこそ個人感情的な失敗がある程度許容される物語が好きだし、たとえその結果理不尽なバッドエンドを迎えたとしても、自分はその物語を通して癒されているという自覚がある。これから感情的でどこか不安定物語出会いたいなあと、そんなことを考えている。他者が本当に他者として存在している現実ではあまり許されることではないから。

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