はてなキーワード: サムデイ イン ザ レインとは
京アニのTVアニメが涼宮ハルヒを一気にメジャーカルチャーの代表に押し上げたことは間違いない。しかし作品自体を殺してしまったことも事実だ。
ここ数日の議論でハルヒを「殺した」のはエンドレスエイトだとか主役の声優だとかでているが、一番の原因は原作の続きが出なくて完結しないことが確定してしまったことだ。そしてその原因は京アニがこの作品で絶対やってはいけないことをやってしまったためだと思っている。
それは主役のキョンを絵にしてしまったことだ。単なる登場人物にしてしまったことだ。
原作を読んだ人はみな知っているが、原作におけるキョンは特殊な人間だ。主要登場人物の中で唯一名前が出てこない(あおりをくらって「キョンの妹」になってしまった名無しの登場人物はいるが)。外見も描写されない。表情や態度を他の人物が描写する台詞もない。完全に透明なキャラクターとして設定されている。
また、物語においてはキョンの登場しない場面は一切描写されない。地の文章と頭の中のモノローグと声に出したセリフも区別されない。他の登場人物は、しばしばキョンの頭の中で考えた言葉に反応する。
これはおそらく物語の根幹に関わる意図的な表現だったはず。しかし京アニはこれを破壊してしまった。
キョンに外見をあたえてしまった。口に出さない、内面の声に他の人物が反応することもなくなった。サムデイ イン ザ レインにおいては、あろうことかキョンのいない部室の様子を書かせてしまった。後書きで谷川流が示唆していたが、これら一連の行為により、作者は予定していた完結編を書くことができなくなってしまったのだろう。