2024-10-07

TQFTについて

Topological quantum field theory (TQFT)は、場の量子論幾何学概念統一的かつ抽象的に捉える強力な枠組みである。以下に、TQFTの主要な側面を数式を用いて説明する。

TQFTの公理

TQFTは、次のAtiyah公理系に基づいて定義される:

1. 各向き付け可能な閉d次元多様体Σに対して、有限生成Λ加群Z(Σ)が対応する。

2. 向き付け可能なd次元ボルディズムM: Σ₀ → Σ₁に対して、Λ準同型Z(M): Z(Σ₀) → Z(Σ₁)が対応する。

3. 恒等射id: Σ → Σに対して、Z(id) = idZ(Σ)となる。

4. ボルディズムの合成M₁ ∘ M₂に対して、Z(M₁ ∘ M₂) = Z(M₁) ∘ Z(M₂)が成り立つ。

5. 空集合∅に対して、Z(∅) = Λとなる。

6. 非連結和Σ₁ ⊔ Σ₂に対して、Z(Σ₁ ⊔ Σ₂) ≅ Z(Σ₁) ⊗ Z(Σ₂)が成り立つ。

TQFTの特徴

TQFTは以下の特徴を持つ:

1. 作用S(φ)が位相不変性を持つ:

δS = 0

ここで、δは対称性変換を表す。

2. 対称性変換が完全である:

δ² = 0

3. 観測Oi対称性の下で不変:

δOᵢ = 0

4. エネルギー運動量テンソルTμνが対称性変換の形で表される:

Tμν = δGμν

ここで、Gμνは適当テンソルである

量子化幾何学構造

TQFTの量子化は、以下の幾何学構造と密接に関連している:

1. シンプレクティック多様体(M, ω)の量子化:

ω = dθ

ここで、θはシンプレクティックポテンシャルである

2. 幾何学量子化:

H = Γ(L)

ここで、Lは(M, ω)上のプレクァンタム線束で、Hは量子ヒルベルト空間である

3. ボレル-ヴェイユ-ボット定理:

H^q(G/B, Lλ) ≅ Vλ (q = 0の場合)

H^q(G/B, Lλ) ≅ 0 (それ以外の場合)

ここで、G/Bはフラグ多様体、Lλは等質線束、Vλは最高ウェイトλの既約表現である

3次元TQFTと不変量

3次元TQFTは、以下の不変量と関連している:

1. Jones多項式:

V_L(t) = Σₙ aₙ tⁿ

ここで、Lは結び目、aₙは整数係数である

2. Reshetikhin-Turaev不変量:

Z_RT(M) = Σλ S₀λ Zλ(M)

ここで、Mは3次元多様体、λはラベル、S₀λはモジュラーS行列の要素、ZλはWRT不変量である

3. Turaev-Viro不変量:

Z_TV(M) = Σ_triangulations Π_tetrahedra |6j|²

ここで、|6j|は量子6j記号である

拡張TQFT

拡張TQFTは、より高次の圏論構造を取り入れ、以下のように定式化される:

Z: Bord_n → nCat

ここで、Bord_n はn次元ボルディズム圏、nCatはn-圏の圏である

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