体力は正直なんとかなる。それよりも大事なのが手先の器用さとか想像力とか、あとは物の道理が分かるってあたりだ
手先の器用さは言わずもがなだな。紐の結び方ひとつでも新しい結び方を覚えられないやつってのが一定存在する。
想像力ってのは例えば図面を見てパーツを想像してそれを頭の中で組み立てたりする能力のことだ。
荷台にどういう順番で物を積んでいけば物が落ちずかつ効率的に作業ができるかって想像する能力も必要だな。
道理ってのは例えば物を吊ったときにどこに力がかかるか知識が無くても分かるとか、動いてる重機の死角から重機に近づくとどういうことが起こるか考えなくてもわかるとか、そういう能力だな。センスってやつだ。
この辺の能力があれば職人としてはやっていけるかもしれんが、当たり前に最低限のコミュ力は必要だわな。
作業はひとりで黙々とやってる大工の親方でも、施主とか元請けとか他の業者と打合せたりして意思疎通する機会は絶対にあるし、そこで話ができんとは仕事にならんし信用がなくなる。
昔は人余ってたし人海戦術でなんでもやってて命も安かったから個人個人のコミュ力とか能力はあまり重要視されなかったかもしれんが、今は全員にこういう能力が要求されててアホだと食っていけない。
この辺の能力が漏れずに満遍なくあるやつは職長とか、一人親方としてもやっていけるし現場でも重宝されるがどれかが欠けると一般作業員だ。