2024-09-18

たったひとつの冷めたやり方

朝は忙しいし、時短命!と決めているので冷凍コロッケエビフライポンポンとをお弁当に詰め込んだ。まあ、雑に放り込む。

もちろん、完璧解凍されるだろうと信じているからだ。

しか現実はそう甘くない。

休み時計の針が12時を指し、俺の腹時計も「そろそろだな」と知らせる頃。

俺はお弁当箱を開けた。温かいご飯に期待を膨らませ、レンジのないオフィスで冷めた弁当を食べるスリルさえ薬味として楽しもうとしていた。

だが、一口食べた瞬間、俺の希望は崩れ去った。

冷てぇ……!

半分凍ったままのコロッケが、俺の歯に無情に突き刺さる。

まるで宇宙彼方からやってきた冷気の使者が、俺のランチタイム邪魔しに来たかのようだ。

そう、これは“たったひとつの冷めたやり方”によってもたらされた、運命の冷たさだ。

かじりついたエビフライは、まるでまだ宇宙船の冷凍庫で眠っているかのように、硬くて冷たい。

そして驚愕事実。おかずの大半がまだ半解凍のままだ。これはいったいどうしたことか?

ちょっとくらい温まるだろう」と甘く見ていた俺は、ランチ惨劇に直面していた。

休みという限られた時間で、この冷たさをどうやって克服するか?レンジはない。希望もない。ただ、冷たい現実がそこにあるだけだ。

しかし、俺は冷静に考える。

これは試練だ。冷めたままでも、俺はこの食事攻略する。

だが、その決意も虚しく、冷凍ミートボールに噛みつくたび、口の中は冷え冷えとし、まるで冷たい宇宙空間孤独に漂っているかのような錯覚に陥る。

これこそ、俺が出会った“たったひとつの冷めたやり方”だったのだ。

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