2024-08-10

今の朝ドラは、全てを絶賛する人と沈黙する人に分かれている。そしてネットでは少数ながら、匿名酷評する人がいる。私はAMラジオを好きでよく聴いているが、これまでは雑談ネタとして朝ドラ話題が割とよく出てきたが、今回に関しては非常に少ない印象がある。

個人的にはあまり評価しない立場である。今の朝ドラの何がダメなのかというと、絶賛している人の感想が「わかる、わかる!私も寅子さんと同じ!」みたいなものが多いことに象徴されている。

少なくとも自分面白いと感じてきたドラマ映画は、自分とは異なる、基本的には想像の外にいる立場の人(たとえば戦場兵士など)のリアルや心情が理解できるような内容である。これまでの狭かった自分視野が広がる感覚といって良いだろう。


そもそも兄弟も含めて、全ての人間他者である朝ドラのように80年前の社会に生きていた人間なら尚更であり、「私も同じ」と無条件に共感できるような内容だとしたら、それは質の高い表現とは言えないと思う。異なる他者への理解とは逆の、閉鎖的な視線をもたらしている可能性が高いことは、今回の朝ドラについての絶賛と沈黙の極端な態度にも表れている。

  • 続き。 「私と同じだ」「身につまされる」という感想を持つことは自然だし、それを否定しているわけではない。自分はほとんど経験ないが、そういうタイプの名作映画・ドラマもある...

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