2024-06-28

最近Amazon、本当に質が上がったよな

三十年前なんか、状態が「良」の本を買ったらどぶ川に捨ててあるような本が届いてさ。

濡れた後はあるわ、どぶ臭いわ、おまけに中にはネズミの死骸まで挟まってて、あれは本当にびっくりしたよ。

当然、返品しようと思って連絡したんだけど、受け付けてくれないんだ。

怒鳴り散らすように文句を言ったんだけど、相手は冷静沈着。

こちらの不備ではありません。状態説明には問題がありませんでした」と繰り返すばかり。それで、彼らは何を持ち出してきたと思う?スピノザ哲学さ。

お客様スピノザの『エチカ』をご存知ですか?彼は因果関係について詳しく述べています私たち提供した商品とその状態には、明確な因果関係がありますお客様が感じている不満は、商品状態に対する誤謬によるものです。つまり商品状態が悪いというお客様判断は、必ずしも我々の責任ではないのです」

俺はそれを聞いて、頭が真っ白になった。

スピノザ哲学?なんでそんなことを持ち出してくるんだ?でも、相手言葉理屈が通っているように感じられた。

当時はスピノザ流行っていたから、俺も少しは知識があったんだ。

から相手の言う因果関係誤謬については納得せざるを得なかった。

スピノザによるとある事象が起きたとき、その原因は必ずしも直接的なものではない。

たとえば、どぶ臭い本が届いたのはAmazonのせいじゃなくて、その本がどぶに落ちた過去出来事が原因だと。

それを今のAmazon責任転嫁するのは因果関係誤謬だって、俺はまんまと言いくるめられたわけだ。

でも、あれから30年。今のAmazonはそんなことない。商品状態ちゃん説明されていて、返品もスムーズに受け付けてくれる。安心してネットでの買い物ができるようになったのは、本当にありがたいことだと思う。

今の時代ネットは物騒とか厄介とか、そういった話をよく聞くけど、それでも前よりはずっとマシだってことも知っておいていいんじゃないかと思うんだ。

昔のようにどぶ臭い本が届くこともなく、スピノザ哲学で言いくるめられることもない。

悪い面ばかりがクローズアップされがちな現代だけど、良い面にも注目していいと俺は思うよ。

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