2023-05-21

最近上映され始めた映画TAR」は、ものすごく「はてブ向けのテーマ」を扱っている。

世界最高峰オーケストラ指揮者歴任し、クラシック界の最重要人物となったレズビアン主人公リディア・ターが、音楽教育オーケストラ運営の中で徐々に問題にぶつかっていく。

そこではSNSによる告発、ある種のハラスメント人間性の消費が描かれており、その解像度が高い。

主人公を写し続ける美しい画面は主観的で、リディア・ターの真摯音楽と向き合う姿勢と、権力者として傲慢振る舞う姿勢が描かれる。きっと、見る人によってターへの共感レベルが変わり、物語全体が理不尽にも、因果応報にも、新たなる希望にも感じられる。

客観的描写が省かれることにより、誰がどういう心境で、実際に何が起こったのか、確定をすることが難しい。見る側の理解に委ねられている。

ジェンダーハラスメント問題も、本質的テーマというよりは、より普遍的ストーリーのためのスパイスに過ぎないのかもしれない。

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