数年前、小学生の息子が泣いて帰宅したので、どうした? と聞いてみたんだ。
事情を聞いた俺は、溜息をついて、「男はキモいと言われる生き物なんだ」と教えた。
——息子よ。この先の人生でキミは何度もキモいと言われるだろう。
当時、幼いながらに将来は作家になりたい、と夢見ていた息子を想いアドバイスを与えた。
大人になってもキミは、読者や同じ職場の女の子とかに、事あるごとにキモいと言われてしまうだろう。
避けられない宿命なのだから、『キモい』と言われることに、いまのうちに慣れておけ。
言われても、心の温度が上がらないようになるまで。
…そんな風に話したと思う。神妙な顔をして聞いていた彼の成長過程で、この教育がどう影響してるかはわからない。単に忘れ去られてしまったかもしれぬ。
有名税についての俺の考え。
芸人とか Youtuber とか人気ツイッタラーなどは、民度もリテラシーも異なる色んな人たちにビックリするような抜き身の意見をぶつけられる事が多いようだ。
嘆いても、 “有名税” だから仕方ないですよ、と言われる。どうしようもなく発生するので受け入れるしかないのだ、と。
しかし有史以来、税金は民衆の合意の上で委託された組織によって取り立てられてきたはずだ。
どこの馬のホネとも知れぬコメントの連中の身勝手な意見を、受け入れます っていう合意なんて存在しないだろ。だから、有名税なんかない。あるのは “有名みかじめ料” だよ。