2022-02-06

大怪獣のあとしまつと嘲笑文化終焉

(ネタバレがあります。)

前評判が芳しくないのを知りつつ見てきた。ゲタゲタ笑った。半分くらいは失笑だったとはいえ、隣の人に迷惑だったかもしれないほど笑ったさ。劇場を出て気づいた。これは嘲笑の笑いだと。

私は世代的には氷河期世代の下でゆとり世代の上、「プレッシャー世代」とか言うらしいがその名で呼ばれたことはほとんどない。氷河期後の束の間の春を謳歌することを許された世代だ。ネットでは上の世代が藁と言い、下の世代が草という中、山程の芝を生やして笑っていた世代だ。ネット必死右翼書き込みを、カバオくんのAAにして笑ってきた世代だ。つまり嘲笑するのが大好きだった世代だ。

この映画のメインの部分は「今の政府マヌケから本気にせず適当に笑っておけ。(帯刀アラタの形をした)イデオロギーさえ信じていれば、眼前の問題はそのうち都合のいい神がなんとかしてくれる。」に尽きる。「シン・ゴジラ」が右翼的な感性に近く、「あとしまつ」は左翼的感性に近い。私が笑えたのは私の中のそういう部分をくすぐってくれたからだろう。脚本三木聡バブル世代人間であり、感性が合ってしまうのはそういうことなんだろうさ。

一方で、かつての左翼象徴だった立憲は相変わらず不調続き、ネットが芝を使うのをやめたように、我々の世代も上や下の世代の苦しみと付き合ううちに、この手の感性を悪いことだと認識するようになって来ている。その結果が「あとしまつ」への大酷評であるのもよく分かる。

はてなのひとは見に行くといいよ。きっと楽しいから

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