2021-05-17

コンビニで変な人と出会

コンビニに立ち寄ったら、コピー機のところで二十代くらいの男がそわそわしていた。

片手にスマホをもち、タッチパネル操作しているが上手くいってないのかブツブツ言っている。

 

横切ろうとした瞬間に、男が「もうヤダああああああ」と幼げな金切り声で叫んだ。「もうなにぃいこれええぇ、全然できないじゃんんんん、プリントできないいいいい」

「こんなの難しいよおおおお簡単にしてよおおお企業努力でしょおおおおおおお」

 

あー。

軽度の知的障害もつ伯母を思い出した。

小さい頃に一緒に住んでいて自由気ままな態度で家庭の雰囲気毎日ぶち壊してくれた伯母だ。

似てる。

毎晩、お通夜状態だった我が家

世間の目があるので、家族で外出も映画難易度が異常だったあの頃。

なのに見えない後ろめたさから、伯母だけをのけ者にすることができなかった我が家

 

一瞬のフラッシュバックがドロドロとした感情つれてくる。

この面識もない男にドロップキックかましたい。

ぶっ飛ばした衝撃で男の頭が店のガラスを叩き割るくらいに思い切り。

 

 

もちろんそんなことはせず、「どうしました?」と話しかけた。

身内にそういう人間がいるもんで、逆に抵抗がない。

「もぉおおおおできないいいいい、なんdw出来ないんだよぉおお」

知らない人間に話しかけられても冷静さを取り戻せず、

先程変わらない様子で俺に伝えてくる。

あー、この感じ。この感じよ。

なんとか宥め、事情を聞きだすと、

ネットプリントがしたかったらしい。

パネルに表示してある手順通りにできないだけだった。 

プリントできると、「ありがとう」も言わずさっていた。 

 

 

自分の目当ての物を買ったレジ終わりに「ありがとうございます」と言われた。

見ていたらしい。そりゃそうか。

でも、俺は親切でもなんでもない。

自分衝動を抑える代わりに話しかけただけだ。話しかけなかったら伯母をあの男に重ねて、ドロップキックしてたと思う。

親切心でもなんでもないんだよ。

長年の家でのクソみたいな経験から、思ってることと行動があべこべなだけだ。

伯母にも口には出せない感情を抱きながら、当人に優しく接していた。喉に刺さった魚の骨を「クソが。ぶっ殺すぞ」と思いながら取り除くように。

 

 

家に帰ると気分が落ち着いたが、やりきれないのでこうして書いている。

いつまでたっても伯母は僕の中にいる。

今夜は伯母あのクソみたいな金切り声の幻聴がする。

最悪な思い出だ。

 

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