2020-11-05

喉にくるみの破片を詰まらせて死にかけた話

ついさっきの出来事一人暮らし

 

私は夜はナッツつまみながら酒を飲むことになっているのだが、噛み砕いたくるみの破片が喉に詰まった。「喉に詰まる」という状態がどのような状態を指すのかは私は私の喉を客観的に見たことがないのでわからないのだが、とにかく喉に違和感を感じるのが先か、生体反応が先か、激しく咳が出た。

 

よくあることだ。私は物をあまり噛まないで飲み込むことが多いので、ナッツ類のような固形物はよく喉に詰まって咳き込む。そう、いつものこと。咳をしていれば落ち着く。そう思っていた。

 

かなり激しく生体反応という名の咳が出続けたが、いつもと違うことは、息苦しくなってきたことだった。息が吸えない。

 

息を大きく吸っているのだが、生命を維持するための量に全然足りないらしく、どんどん苦しくなっていった。普段、呼吸なんて意識をしないで行っているが、私はこの時、かなり意識して息を大きく吸い続けた。しかし、苦しくなるばかり。息を吐くのはスムーズに出来るのに、吸うのがいつも通りにできない。たった一つのくるみの破片で、である

 

このままでは死ぬな、と強く思った。生まれて初めて外部的要因による死を意識した。パニックになる寸前だったと思う。はたから見たらパニックだったかもしれない。息が思うように吸えない。苦しさは死活問題で増していく。

 

私はたまたまその時キッチンにいて、たまたまグラスがシンクの傍に放置されていた。水だ、と思った。グラスに水を注ぎ、一気に勢いよく飲み干した。これで呼吸ができるようになってくれ、と祈りながら。

 

水のおかげで呼吸が戻った。良かった。本当に死ぬかと思った。しばらくは咳き込みが続いたが、息はいつも通りにできる。

 

私はたまたま家にいて、たまたま水を飲むという発想ができたから良かったものの、仮に外で歩きながらナッツか何かを食べてこの症状になっていたら、おそらく苦しみながら死んでいた。

 

正月にお年寄りが餅を喉につまらせたというニュースが良くあって、私は「餅を喉につまらすって何だね」と失笑していた。そんな自分をぶん殴りたい。餅ではなく、くるみの破片でさえ喉につまらせて死にかけることがあるのだ。

 

なぜくるみの破片などという喉に詰まらないように思えるものが、喉に詰まってこういうことになるのか、詳しい人がいたら教えてほしいです。それと、何かを喉に詰まらせて死にかけることは、日常生活の延長線上に普通にあるのだということを知ってほしい。

 

一人でも不慮の自己で亡くなる人が減ることを祈りながら。

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